小澤征爾さんを偲んで
- fumiyo .m
- 2024年2月25日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年5月15日

2024年2月6日 私達は偉大な音楽家を失いました。
福岡市美和台でピアノ教室をしている門司です。
私が20代前半の頃 J-POPには目もくれずクラシック音楽にどっぷりと浸っていた頃
彼の存在を知り音樂を聴きLPレコードを買ってもなかなか貰うことが難しいポスター
(モノクロで指揮をしている姿、若い頃は白いタートルネックが彼のスタイル)
をパネル加工してピアノの部屋に飾っていました。今で言う推し活(#^.^#)
【オーケストラがやってきた】という日曜日の朝に放送される番組に時々出演するのを楽しみにし、彼の著書【僕の音樂武者修行】を夢中になって読んでいました。
その頃はすでに世界で活躍を始めていて良い音楽を聴かせてくれましたが、88歳まで常に
勉強し続けていた晩年の演奏は驚くほど深く、瑞々しく洗練され、彼の情熱の集大成となって広く世界の人々の心に響いて、最後まで勉強し続けていたことに感銘を受けました。
音楽も人間性もすばらしい方ですが、彼の残した忘れられない言葉がたくさんあります。
「音楽は言葉も国も宗教も政治も超えて人と人の心をつなげることができる。みんなで一つになれる。地球にいる私達は皆同じ生き物であり一つである」
「音楽(物事を)を学ぶにはハングリーでなければならないよね。ボクらの時代はそう言う意味ではどんなものでも吸収して自分のものにしてやろう!!としがみついて来たよ」
「音楽やスポーツなんかするには...とことんまでやるエネルギー、熱意、やる気は
振り絞って出し切るまでやらないとわからない。そういうものがなくなると...
どんなに技術があっても、どんなに頭が良くても、どんなに環境が整っていても、どんなに経済が豊かであっても、人間の幸福というものは得られない。
人間に本当に大事なことにさわれないで終わるのかもしれない」
「心の底からの優しさ...これを無くした人は頭が良くても寂しいね。そういう意味では今は優しさが失われやすい世の中だね」
「技術の上手い下手ではない。その心が人の心を打つのだ」
「ちゃんと勉強しておかないと...」これは何度も何度も常に言われていました。
音楽に対する情熱や信念そして何とも清々しい心意気
未だ小澤征爾という巨匠が天に召されたのは信じがたいのですが、もっと長生きをしていい音楽を聴かせていただきたかった。
晩年は長い間大病を重ねてご不自由だったので、今頃は自由に天におられる齋藤先生やカラヤン先生、バーンスタイン、親友のロストロポーヴィチなどと楽しく音楽談義などをしておられる事でしょう。そしてオーケストラを前に「行くぜ!!」と声をかけ、思う存分にタクトを振っているのでしょうね。
心よりご冥福をお祈りいたします。
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